特定同族会社の留保金課税の概要

 特定同族会社が、各事業年度において、一定の限度額以上の金額を内部留保した場合、通常の法人税のほかに、税金が課されます。
 これを特定同族会社の留保金課税といいます。

 特定同族会社とは、株主等(※1)の1人が、発行済株式の過半数を有する会社であり、かつ、資本金1億円超(※2)である会社をいいます。
 特定同族会社に該当するかどうかの判定は、事業年度終了時の現況によります。

 課税される金額は、「(A)課税留保金額×(B)留保金課税の税率」で計算されます。
 (A)(B)は、それぞれ以下のとおり計算されます。

(A)課税留保金額 =
所得等の金額(※)−社外流出額(配当、役員賞与等)−法人税・住民税−留保控除額(※※)

※  繰越欠損金を損金算入した金額は、所得等に含まれます。よって、通常の法人税は課税されなくとも、留保金課税だけが課税されるケースがありますので、留意が必要です。

※※ 留保控除額は、以下(1)(2)(3)のうち、最も多い金額です。
 (1) 所得基準: 所得等×40%
 (2) 定額基準: 年2,000万円 (事業年度が12ヶ月未満の場合は月割)
 (3) 積立基準: 資本金額×25%−利益積立金額

(B)留保金課税の税率;
 課税留保金額 3,000万円以下 10%
 課税留保金額 3,000万円超 1億円以下 15%
 課税留保金額 1億円超 20%


※1 株主等には、株主等の親族、内縁関係者の者、個人株主の使用人、個人株主から受ける金銭等によって生計を維持している者等を含みます。

※2 平成19年4月1日以後開始する事業年度より、資本金1億円以下の会社は、特定同族会社から除外されます。
 なお平成18年4月1日以前に開始した事業年度においては、同族会社に対して、留保金課税が課されていました(同族会社とは、株主等の3人以下が、発行済株式の過半数を有する会社等をいいます)。

(関連条文: 法人税法67条)

  


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