役員退職金の分割支給は3年ないし4年でそれ以上長期に及ばないことです。

 まず、税務上は、株主総会で決議された事業年度に損金処理することが原則ですが、株主総会等で役員退職金を分割支給することが決定した事業年度において、未払計上した金額を損金算入することもできます。その未払金を図のように退職後3年間に分割して支払うことも可能です。
 なお、死亡退職金は死亡後3年以内に確定したものが、相続財産の対象になりますので、法人税での扱いもこれに準じます。
3年経過後に確定した退職金は遺族自身の収入になり、所得税での一時所得が課税されます。


役員退職金の分割支給

<個人の税金>
 このように役員退職金を分割支給した場合、それを受け取る個人の税金は受けとる金額に応じて税額は按分されて納税できます。つまり個人における役員退職金の税制上のメリットは継続されます。


<追加支給や仮払い処理>
 この種のケースで注意が必要なのが追加支給や仮払い処理についてです。
 たとえば、退職のときは不況であったが、景気が回復してきたのでその後の株主総会で退職金の追加払いを決議しても、税務上損金とは認められません。利益調整とみなされ、追加払い分は、寄付金あるいは役員賞与と認定されます。
 また、仮払い処理で支給する例もみられますが、株主総会の決議のあった決算期までに仮払金を消却して損金経理しておかないと、税務上での損金算入のチャンスがなくなりますので注意してください。


※注 税務に関する記載の内容につきましては平成24年度4月現在の税制に基づくものであり、将来変更される可能性があります。




            



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