投稿日時: 2005-12-24 13:44
中堅さん
居住地:
投稿: 76
賃借地における造成工事の費用
このたび新店舗をかまえるにあたり新たに賃貸した土地に対して造成工事が必要になりました。この土地はこのままでは店舗を建てるには裏山にかかる傾斜地で造成工事が必要です。工事の内容は土地の路盤整形工事、擁壁工事、駐車場の舗装工事です。問題はこの路盤整形工事の経理処理です。自己の所有地では土地の価格に参入になりますが、借地では借地権のある地方では借地権の価格に参入されます。
借地権の取引慣行のある地方は六大都市圏だと思います。借地権の取引慣行のない地方では、この部分は、構築物(擁壁工事等)、建物等に按分して所得価格に参入されることになるのでしょうか?

tomtom
投稿日時: 2005-12-24 18:01
常連さん
居住地: 神奈川県
投稿: 191
Re: 賃借地における造成工事の費用
路盤整形工事は、借地人の建物を建築するという都合でされるもので、建物建築のための整地の一環だと思いますので、法人税基本通達7-3-4の注書きにより、その建物や構築物の取得価額に算入されるものと思います。

(基本通達7-3-4)
埋立て、地盛り、地ならし、切土、防壁工事その他土地の造成又は改良のために要した費用の額はその土地の取得価額に算入するのであるが、土地についてした防壁、石垣積み等であっても、その規模、構造等からみて土地と区分して構築物とすることが適当と認められるものの費用の額は、土地の取得価額に算入しないで、構築物の取得価額とすることができる。上水道又は下水道の工事に要した費用の額についても、同様とする。
(注) 専ら建物、構築物等の建設のために行う地質調査、地盤強化、地盛り、特殊な切土等土地の改良のためのものでない工事に要した費用の額は、当該建物、構築物等の取得価額に算入する。

武田昌輔 編著「詳解 会社税務事例」に「地主の許可を受け、借地に建物を建築するために行った土盛費用は建物の取得価額に算入すべき」との解説もあります。


なお、仮に土地に算入すべきものである場合は、借地権の慣行の有無にかかわらず、借地権の取得価額とすべきものと考えます。

問題
所得税−必要経費(減価償却資産)
減価償却資産の範囲(その2) アパートを建てる場合の宅地造成費
現在、畑になっているところを宅地造成してアパートを建てる予定です。建築費は当然ながら建物の取得価額に算入して減価償却するわけですが、宅地造成費も同じく建物の取得価額に算入することになるのですか?


建物の取得価額に算入します。

<解説>
農地は当然ながら地盤が軟弱であるため、アパートとかマンションを建てる場合、宅地に建てるよりも、より多くの造成費がかかることになります。したがって、これらの宅地造成費は土地の取得費に算入することになるのではないかと疑問が湧わくわけですが、これについては建物の取得価額に算入することになっております。
これは土地を改良することが目
的ではなく、建物を建設して事業を行なうことが本来の目的であるため、このように建物の取得価額に算入するのです。「算入することができる」ではありませんので、ご注意ください。
土地を造成して売却する場合には当然ながら土地の取得費に算入しますが、譲渡所得の計算上、土地の取得費は経費に算入されますので何の問題もないわけです。

<定期借地で土地を貸す場合の宅地造成費>
自分の土地にアパート等を建てるのではなく、その土地を造成した上で賃貸する場合の宅地造成費はどのように処理することになるのでしょうか?
建物は借地人が建てるわけですから、宅地造成費を建物の取得価額に算入するといった芸当げいとうはそもそも不可能です。そこで定期借地で土地を貸す場合の宅地造成費は土地の取得費に算入せざるを得ないのです。
ただし、宅地造成費は通常、利息の付かない保証金を充当すると思いますが、それでは不足する場合の借入金に係る支払利息は経費になります(ただし、275 ページ以降の解説参照)。
なお、道路をアスファルトで舗装するといった構築物の設置費用は当然な
がら減価償却資産になります。





            



-