◎ 非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度



平成20年10月以後の相続から、非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度が創設!!
− 納税猶予が80%に大幅拡充 但し、発行済株式数の3分の2を限度−




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● 平成20年10月1日以降の相続から、中小企業の事業の継続・発展を図るため、
取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度が創設されました。

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同族株の減額
  従  来 改 正 後
自社株に係る10%
減額措置
自社株に係る相続税額
の80%納税猶予
対象会社 発行済株式総額
20億円未満の会社
中小企業基本法上
の中小企業
軽減対象の
上限
発行済株式総数の2/3
又は10億円までの
いずれか低い額
軽減対象となる株式の限度額は撤廃
但し、発行済株式総数の2/3以下




◆ 「非上場株式等に係る相続税の納税猶予制度」 の適用要件は?


【適用されるための要件 (概要)】

  • この特例は、相続時精算課税制度を選択して生前贈与された株式についても適用あり

    対象会社
    • 中小企業基本法の中小企業であること
    経営者
    (被相続人)
    • 会社の代表者であったこと
    • 被相続人 及び これの同族関係者 (6親等内の親族等) で、
        発行済株式等の50%超を保有しており ⇒ (50%超保有要件)
    • かつ、同族内で筆頭株主であった場合
    相続人等
    (経営承継者)
    • 相続税の法定申告期限から5年間以上事業を継続すること
      (5年間は毎年、経済産業大臣の認定等)→(その後3年毎
      に税務署に所定の 「継続届出書」 を提出)

    • 経営承継相続人等とは、被相続人の親族
    • 経営承継相続人が会社の代表者であること
    • 相続又は遺贈により取得した株式等を継続保有していること
    • 雇用の8割以上を維持すること
    納税猶予
    (注)
    • 発行済株式等の総数の3分の2以内に相当する部分
    • 当該相続した株式に係る相続税額の80%に対応する部分

        ⇒ (猶予対象 : 3分の2以内で80%対応分の相続税)
    納税猶予
    の取消し
    • 5年の間に要件を満たさないこととなった場合には、
        猶予税額と利子税を全額納付

    (注) 経営承継相続人等が債務 及び 葬式費用を負担するときは、
      特例適用株式等の価額から当該債務 及び 葬式費用を控除
      した金額(特定価額)をもとに相続税の納税猶予を求めます



    納税猶予額の
    納付免除
    死亡の時まで株式を保有し続けた場合など一定の場合に納付免除

    この相続税の納税猶予制度について、認定会社が一定の法人の株式等を有する場合には、
    納税猶予分の税額の計算に際して、当該法人の株式等を有していなかったものとする


    ◎ 平成23年6月30日以後の相続や贈与等にいて適用される

    【非上場株式等の納税猶予の要件緩和】

  • 風俗営業会社等に該当してはならない特別関係会社の範囲の見直し

    認定会社の代表権を有する者と

    「親族」 → 「生計を一にする親族」 に


    適用条件をフローチャートにすると ・・・・ (→)



    ● 中小企業基本法における 「中小企業」 の定義

    区  分 法人税法に
    おける定義
    中小企業基本法における
    「中小企業」 の定義
    中小企業者 中小企業 小規模企業
    製造業・建設業
    ・運輸業
    資本金

    1億円以下
    (注)
    資本金3億円以下
    又は 従業員300人以下
    従業員20人以下
    卸売業 資本金1億円以下
    又は 従業員100人以下
    従業員5人以下
    サービス業 資本金5000万円以下
    又は 従業員100人以下
    小売業 資本金5000万円以下
    又は 従業員50人以下

    (注) 但し 次の法人は、中小企業者から除かれる
    • 発行済み株式総数の2分の1以上を、同一の大規模法人に所有されている法人
    • 発行済み株式総数の3分の2以上を、大規模法人に所有されている法人



    ◆ <事業承継の円滑化税制> としての相続税の課税価格の計算の特例には?


    評価減等できる相続財産
    ( 種 類 )
    相続税の課税価格の計算の特例
    ( 評価減 ・ 納税猶予 )
     




    @ 小規模宅地等 ○ 次の宅地等の課税価格を減額

    • 事業用宅地等 400uまで80%減額
    • 居住用宅地等 240uまで80%減額
    • その他 200uまで50%減額
     
    A 非上場株式等
      の相続税の
         納税猶予
    ○ 株式等の課税価格の 80%に対応する部分

     一定の中小同族法人の株式等
    • 発行済株式総数の3分の2以内で、かつ
    • 継続保有し、雇用の8割以上を維持
     
    B 山   林
      (林地及び立木)
    ○ 次の山林の課税価格を減額 5%

    • 山林施業計画に施業されている林地及び立木

    複数の特例適用宅地等がある場合 → 選択の優先順位は?


    非上場株式等に係る贈与税の納税猶予制度は? (事業承継税制→)




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    平成20年10月1日以後の相続から、取引相場のない株式について 80%部分に対応する
    相続税を納税猶予できる制度が創設され事業承継の円滑化が図られています。





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