税理士の資格難易度と合格率・必要な勉強時間・偏差値目安

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税理士資格を取る難易度は、弁護士、公認会計士に次ぐものといわれており、司法書士よりはるかに難しいといわれています。その理由はやはり、税理士試験の5科目の試験の合格率の低さにあるでしょう。その難易度によって、各科目の合格率は10~15%という低さなのです。

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税理士試験の難易度は司法書士以上公認会計士未満

税理士資格を取る難易度は、弁護士、公認会計士に次ぐものといわれており、司法書士よりはるかに難易度が高いといわれています。試験は、年一回だけ行われます。その理由はやはり、5科目の試験の合格率の低さにあるでしょう。 税理士試験の科目は、 ・会計学に属する「簿記論」および「財務諸表論」の必修2科目 ・税法に属する「所得税法」「法人税法」「相続税法」「消費税法または酒税法」「国税徴収法」「住民税または事業税」「固定資産税」の7科目から3科目選択して合計5科目です。 ただし、「所得税法」「法人税法」のいずれかはかならず選択しなければなりません。

税理士試験の難易度は受験資格にもある

これが実は税理士資格を取る難易度を高くしている最大の障壁かもしれません。司法試験を受けるためには「司法試験予備試験」(受験資格なし)に合格するか「法科大学院」に入ればよいのですが、税理士試験を受けるには、次のいずれかの条件を満たす必要があります(かなり簡略化してあります)。 ①大学(あるいは短大)の法学部/経済学部/商学部/経営学部の卒業者 ②大学(あるいは短大)の法学部/経済学部/商学部/経営学部以外の学部卒業者で、法律学・経済学に属する科目を1科目以上履修した者 ③大学3年次以上の学生の場合は、外国語及び保健体育科目を除く最低24単位の一般教育科目と法律学・経済学に属する科目を含め「36単位以上」の取得者 ④2年限以上・1,700時間以上の専修学校の専門課程を修了した者で、法律学・経済学に属する科目を1科目以上履修した者 ⑤司法試験合格者または⑥旧司法試験の第二次試験合格者 ⑥公認会計士試験短答式試験の合格者または⑧免除者 つまり、学生の場合を除けば、「もっと難関な試験に合格していなければ、大卒・専修学校卒が必須条件」なので、高卒では受験資格さえないのです。 実は受験資格については、①学歴・学識②資格③職歴④認定の4つのタイプがあり、上に述べたのは①の場合です。 高卒では②の「日商簿記1級」を取得する必要がありますが、この資格は法学部/経済学部/商学部/経営学部の卒業者でもなかなか受からない資格であり、税理士試験自体の簿記レベルは2級から3級程度です。

税理士試験の合格率

次の表に、試験合格率を示します。毎年の合格者は2.1%という超低率の狭き門です。これこそ、超高難易度の根源です。 データ出典:

トピック2469/要素50316

税理士試験では、5科目すべてで60%以上の得点をとったときに、初めて合格とされます。ただし、5科目に同時に合格しなければいけないのかというと、そうではありません。 上の表のC/Aの合格率は、」「一部科目合格者数」を含めた場合の合格率であり、そうすると15.8%になります。そしてこの2乗がほぼ、B/Aの合格率です。つまり、「2年かけて合格」というのが「ふつうのケース」ということです。 実は、税理士試験での「5科目同時一発合格」するということは不可能に近いと言われています(それほど優秀な人は公認会計士を受ける、とも考えられますが)。

税理士試験合格の偏差値

トピック2469/要素50312

受験者の集団があって平均点と合格点があれば合格者の偏差値は計算できます。この数値があれば、最近の受験生世代諸兄には難易度がわかりやすいかもしれません。この表では、税理士の偏差値は76以上であり、偏差値からも税理士試験が超難関であることがわかります。

税理士の難易度の根源は必要勉強時間

次に勉強時間に関するデータを紹介します。

トピック2469/要素50309

出典:青少年の生活と意識に関する基本調査(内閣府,2004),毎月勤労統計調査(厚生労働省,2008)

これは「これくらいかかった」という意識調査とのことです。しかし、合格のために必要な勉強時間数としては、大体合っていると思います。 1日8時間勉強して年間300日で2400時間にしかならないので、5000時間が必要な税理士になるには平均2年以上かかるということになります。合格結果は次回の試験に持ち越せるので、一般的な受験生は、たとえば1年ごとに2~3科目ずつ合格を勝ち取ることをめざし、何年もかけて試験に挑戦しています。

税理士試験の科目別難易度の比較

この「難易度」を何で測るかが、非常に難しい課題です。 考えられるのは、次のような点です各科目について「合格基準点は各科目とも満点の6%です。」と明記されているのですが、「レベルの高い答案が多い科目は採点基準が高くなる」という傾向があるようで、受験生の質によって難易度が大きく変動するようです。 ○合格点および合格率 ○学習分量(ボリュームの大小) ○受験生の数(ライバルの数) ○受験生の質(ライバルのレベル) 国税庁が発表した平成28年度の税理士試験の結果は、10%~15%の低率であり、これを5科目すべて合格しなければなりません。 合格率に関しては実数値を国税庁のHPから取り、他の観点に関しては種々の資料から採取し、勉強時間の目安に関しては、予備校資料と相似関数5000時間から算出した結果をまとめると、次のようになります。

トピック2469/要素50301

この結果を眺めてみると、受験者数の少ない税法科目に最高難易度はつけにくいので、法人税・相続税の難易度が最高、ということは間違いないでしょう。

税理士試験の税法科目の科目別の解説

「簿記論」および「財務諸表論」の必修会計2科目と、税法に属する「所得税法」「法人税法」から選択必修1科目選択、残りの税法「相続税法」「消費税法または酒税法」「国税徴収法」「住民税または事業税」「固定資産税」から2科目選択して合計5科目を受験します。 ここで「消費税法または酒税法」と「住民税または事業税」においては、片方しか受験できません(同じ時間帯に試験が行われます)。 なお一般的に、合格結果が次回の試験に持ち越せるので、1年目に必修の比較的容易な会計科目をクリアし、次に所得税または法人税と、それらにそれぞれ比較的近い分野である相続税または消費税をクリアし、最後にもう1科目クリアする、という受験生が多いので、後に受験する科目には税法に習熟した受験生が多くなって、合格が難しくなる、という傾向があります。 このあたりは次項で詳しく述べます。

簿記論と財務諸表論は必修

会計2科目は必修ため、ほとんどの場合、受験初年度は簿記論と財務諸表論を受験するので、勉強が手探りの受験生が多く、合格しやすいといえます。

法人税法と所得税法はいずれか1科目

法人税法と所得税法はいずれか1つを受験しなければならない選択必須科目であり、税理士試験科目の中でも、もっとも多くの学習時間を必要とする科目です。 法人税法は消費税法とともに、企業税務に必須の税法です。法人税法は、企業利益に対して課税される税金であり、多くの税理士法人・会計事務所で採用の判断に有利な科目です。法人税法は、「法人税で苦労して所得税に逃げる人がいる」というくらい、難易度の高い科目です。 所得税法は相続税法とともに、個人の資産の税務に必須の税法です。企業の社長も、個人として所得税を支払います。所得税法は、個人の利益に対して課税される税金であり、開業して個人の方を顧客とする場合には必要不可欠な知識です。

受験者の多い消費税法・相続税法

多くの場合、消費税法は法人税法と組み合わせて、相続税法は所得税法と組み合わせて受験されます。選択科目7科目の中で、もっとも受験者数が多いのが、消費税法、相続税法です。 消費税法は、法人税法に続いて税理士業務の上で使用頻度の高い分野です。消費税法は、税理士業務での使用度、ボリュームの少なさ、生活との密着度などから人気が高くなっています。消費税の受験者は、会計を突破したばかりの税法初心者が多いので、受験生のレベルが低いといえます 相続税法は、1件当たりの報酬が大きく、生前贈与対策なども含めて、顧客との信頼関係が大切になります。また、後継ぎへの事業承継などでもニーズが高く、人気が高い分野です。会計科目と法人税や消費税を突破した猛者が揃う科目なので、合格の難易度が高い科目です。

ライバルの少ない酒税法

酒税法は受験科目になってからの歴史が浅く、ボリュームが少ないので、対策を立てやすい科目です。歴史が浅いために受験者数が比較的少なく、ライバルが少ないため、比較的容易に上位の得点を取れる可能性があるといえます。 消費税と酒税はいずれかしか受験できないのですが、競争の厳しい消費税を避けて酒税を受ける受験生が多く、酒税は比較的やさしい科目です。

住民税は所得税の地方版

住民税は受験科目になってからの歴史が浅く、ボリュームが少ないので、対策を立てやすい科目です。歴史が浅いために受験者数が比較的少なく、ライバルが少ないのですが、所得税を突破した受験生が集まるので、難易度が高い科目です。

歴史が長い固定資産税、事業税、国税徴収法は出題内容が安定

試験科目の歴史が古いため、出題内容が安定しているのが、固定資産税、事業税、国税徴収法です。受験対策を立てやすい反面、実力差がつきにくく、競争激化は避けられません。

理論派むきの国税徴収法・事業税

この2科目は理論を中心に出題されます。計算が少ない分だけボリュームが少なく、理論が得意な人には合格しやすい科目です。事業税は法人税の地方版であり、法人税通過者が、最終科目として受験する受験生が多いので、難易度が高くなります。

税理士の資格をとろう!

税理士資格を取る難易度は、弁護士、公認会計士に次ぐものといわれており、司法書士よりはるかに難易度が高いといわれています。その分、挑戦しがいのある資格と言えるでしょう。 税理士の資格取得に興味がある方は、以下のサイトを参考にしてみましょう!





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