過充電でバッテリー劣化は嘘。スマホは充電しながら使ってもなんの問題もないどころかむしろ長持ちする。実は殆どの人が知らない、スマホのバッテリーを長持ちさせる方法唐突ですが皆さん、スマートフォンは使用していますよね そんなスマートフォンのバッテリーについて、こんな情報を聞いたことは無いですか? 充電しながら使うのは、バッテリーが小刻みに充放電するため劣化が早まる 「スマホのバッテリーを長持ちさせる方法」などのサイトにてよく見る情報です ……しかし、これらは程度の差はあれ、全て「嘘」です なので、今回はこの嘘と真実について書いていきたいと思います それではどうぞ 目次
ネットで語られている情報が嘘である根拠と理由。リチウムイオンバッテリーは充電しながら放電できないし過充電なんて有り得ない スマホのバッテリーが満充電で劣化するのは本当だけど無視していいレベル。そんなことより充放電を繰り返す方が何倍も劣化するスピードは早い この真実を知っている人はとても少ない。ガジェット系のブログや公式ホームページですら嘘の情報まみれ ただし発熱には十分注意せよ まとめ&トリクル充電の劣化について ネットで語られている情報が嘘である根拠と理由。リチウムイオンバッテリーは充電しながら放電できないし過充電なんて有り得ないまず「バッテリーが小刻みに充放電、またはバッテリーが充電しながら放電」という事について これは完全なる大嘘です そもそもの話、スマートフォンのバッテリー、つまりリチウムイオンバッテリーは充電しながら放電出来るようには作られていません では充電しながら使っている時、スマートフォンの充電速度が落ちる原因はなんなのか? 答えは簡単 充電器から送られてくる電力を「スマートフォンの稼働」と「バッテリーの充電」の二つで分けているからです スマートフォンの仕組みはこうなっています ![]() 普段の使用では、電力を蓄えたバッテリーから基盤へと電力を供給しスマートフォンを動かしています 次に充電器を繋いだ場合 ![]() この場合、スマートフォンの駆動とバッテリーの充電に別れて必要量電力が送られます この状態になった場合、バッテリーは充電状態となるため基盤へと電力が送られることはありません スマートフォンを使用していない場合。つまりスリープモードだとほぼ電力を必要としないので、流れてくる電力の大部分をバッテリーに送ることが出来ます なので、早くバッテリーが充電されるというわけです 対してスマートフォンで動画を見たりゲームをしたり、使いながら充電した場合、その駆動には大きな電力を必要とします なので電力が送られてきていても、駆動に電力が必要なためバッテリーに送られる電力が弱くなる(送られる電力は基盤優先です) 結果、バッテリーの充電が遅くなるというわけです また、バッテリーが100%になった場合は ![]() こうなります このように、スマートフォンの内部ではそもそも電気の通路が最初から分かれているため、充電しながら使うことによってバッテリーに負荷なんてかかりようがないんです これが充電しながら使用するのは別になんの問題もない理由です そもそもの話、考えても見てくださいよ 本当に過充電なんてものがあるなら、スマホを充電しっぱなしで寝て爆発してる事故が多発してるはずです タブレットやノートパソコンのような大容量のリチウムイオンバッテリーが爆発すれば、死人すら出るでしょうね でも、そんなの殆ど聞きませんよね? たまに起きるリチウムイオンバッテリーの爆発事故も、大抵は機械内のどっかがイカれてたか、排熱を行えないような環境下で使用してたか、みたいなのが原因です 充電のし過ぎで爆発事故、なんてほぼありません というか、リチウムイオンバッテリーが一般的に使われるようになってもうかなりの年数が立ちます それなのにプロであるメーカー側が、素人でも危惧する過充電なんていうものをそう易々と見過ごす訳がありません 流石にそこまで馬鹿じゃないですよ スマホのバッテリーが満充電で劣化するのは本当だけど無視していいレベル。そんなことより充放電を繰り返す方が何倍も劣化するスピードは早い次に、バッテリーの劣化についてです リチウムイオン電池には充電サイクルというものがあり、500回ほどの充放電で劣化すると一般的には言われています 毎日充電する使い方なら、約1年半から2年くらいです 例えば満充電容量が1000mAhのバッテリーならば、500回の充放電で700mAhくらいになります 一般的に寿命と言われるラインを大幅に超えた1000サイクルで400mAhほどになります (ここでポイントなのは、あくまでこれは満充電・完全放電を1サイクルとカウントしているという点です 実際は100から0を繰り返すような使い方の人はあまり居ないと思います 大体30%ほどで充電、という人が多いのではないでしょうか その場合、一日で0.7サイクルです) そして、リチウムイオン電池を長持ちさせるには、この充電サイクル回数をなるべく減らす事が有効になります 仮に毎日100→0→100を繰り返した場合、1ヶ月で約30カウントです あまりスマホを使わない人だとしても、100→50→100の繰り返しで1ヶ月で約15カウントです バッテリーの充放電が減れば減るほど、サイクル数も減ると思って頂いて構いません ではどうやってサイクル回数を減らせばいいのか? それが、スマートフォンを常に充電器に繋いで使う事です リチウムイオン電池は100%の状態を維持した場合も、劣化が進みます。 これもよく言われていることですが、これは本当の情報です その特性から「充電しながら寝るのは良くない」などという噂が出てしまったのですね 確かに劣化するのは事実ですから しかし、その劣化なんて充放電に比べれば本当に微々たるもの 100%を維持した場合はどの程度劣化するかと言うと、1ヶ月でたったの2~3サイクルです 1年でも25~35サイクル程度、なんと10年使っても350サイクル程度です なのでそれこそ睡眠を取っている数時間なんて数値にすれば0.01サイクルの世界、意に介する必要性すらないわけです 80%や90%でいちいち充電をやめるなんて、労力と得られる結果を考えれば愚の骨頂ということが分かるでしょう 更に上で説明した通り、スマートフォンのバッテリーは充電しながら使用する場合一切の放電を行いません なので充電しながら使用した場合、サイクル回数を大幅に減らすことができます 結果、繋ぎっぱなしの方が何倍もバッテリーの劣化を抑えられるというわけです これらが 「スマートフォンは充電しながら使用するのは良くない」 という情報が嘘だということの証明となります この真実を知っている人はとても少ない。ガジェット系のブログや公式ホームページですら嘘の情報まみれ上で語った情報は、ネットで調べてもほぼ全くと言っていいほど出てきません これらの真実を書いてあるサイト、また知っている人は自分が調べた結果無に等しく、ネットや雑誌などでは嘘が真実のように、真実が嘘のように語られています 挙句の果てには雑学系のテレビ番組は愚か、スマートフォンを製造している会社の公式サイト、キャリアショップですら真実を歪曲してこの嘘を間接的にばら撒くという始末(キャリアショップの人は本当に知らない可能性が大ですが) なのでこれはいけないと、この情報について自分なりにまとめてみたという事です ただし発熱には十分注意せよスマートフォンは充電しながら使う場合「充電時の発熱」と「稼働負荷の発熱」が合わさり普段とは比べ物にならない程の温度になることがあります スマートフォンのバッテリーは温度が高くなるにつれ急激に劣化します そのため、ファンやヒートシンクなどを活用し最高でも温度は40度(できれば38度)以上には上がらないようにしましょう ※因みにゲーマーなんかはこんなのを使ってずっと繋ぎっぱなしでやってます リチウムイオン電池の充電中の最高許容温度は45度前後といわれていますので、余裕を持って見積もり40度です 因みに、発熱問題において手帳型カバーは最悪です 手帳型ケースはハードケースや軟質系ケースが革製などの手帳に接着されていて、そこにはめ込むタイプのものが主流です つまりはプラスチックのケースでスマートフォン背面を覆い、その上を更に分厚い革や紙で覆う構造となっています ここでスマートフォンが発熱すると、タダでさえ熱伝導率の低いプラスチックに伝わった熱を、紙や革が保温してしまうのです そのため手帳型ケースは本当に排熱性が最悪で、夏場ならば50度なんて平気で突破します 立派な爆熱スマホの出来上がりとなり、本体のパフォーマンスも下がりますしバッテリーも、ヘタしたらCPUも痛めます なので手帳カバーを使っている人は、最低でも充電中(特に夏場)やゲーム中はケースから外すことをオススメします それすらしたくない、という人はせめて手帳型ケースを閉じずに充電してください(手帳型ケースを閉じた場合、ディスプレイのガラス部と背面部両方を覆うこととなり熱を逃がす事が本当に出来無くなります) バッテリーの劣化の原因は主に充放電と発熱です せっかく充電しながら使いサイクル回数を減らしても、発熱の不可がかかってしまえばそれは本末転倒となり得ます スマートフォンを充電しながら使用すれば発熱するのは当たり前なので、恐らくはこのあたりが歪曲されて 「充電しながら使用するのは良くない」 となり 「バッテリーが云々」 「充放電が云々」 などの嘘がまかり通る事になったのかと思います 売る側としても「温度が45度以上にならないように気をつけながら充電するとバッテリーの劣化が~」なんて説明するより、「充電しながら使わないで」って書いた方が楽ですからね まとめ&トリクル充電の劣化についてここまで長ったらしく色々語ってきましたが、結論としましては スマホのバッテリーは最高でも40度を下回る温度にしながら、充電ケーブルに繋ぎながら使うのが最もバッテリーが長持ちする という至極簡単なものです わかりやすいですね 因みにスマートフォンのバッテリー交換の相場は3000~10000円あたりで、データはすべて消え何日か携帯を使えなくなる場合もあります(iPhoneはiCloudがありますが、Androidはrootを取っていない場合データ移行がかなり面倒、しかも不完全です) それなら機種を変更するまでの数年間のうちは、できれば交換なんてしたくないですよね なので限られたサイクル回数を、なるべく減らさないように気を付けましょう 私は外出先でバッテリーを消費する使用方をする場合(YouTube、ゲーム、Bluetooth音楽再生など)はモバイルバッテリーを使用しています そこまでしなくても、という感じではありますが、やっている側からすれば特に不便は感じません(私は普段使わない時はカバンにスマホを入れている為) なので本当に長く使いたいスマートフォンである場合は、モバイルバッテリーの購入も視野に入れてみると良いでしょう また、まれにタブレットPCなどの大画面端末であまりに電力を消費する処理を行った場合、充電が追いつかなくなり充電しているのにバッテリーが徐々に減っていくケースがあります(Windowsタブレットの場合が多いです) しかし、その場合でもACアダプターから電力を貰っているという状況は変わりません 例えば駆動に必要とする(消費する)電力が2100mAhだったとします そこに2AのACアダプターを繋ぐと、ACアダプターから2000mAhが流れてきます※1 通常なら2000mAhを充電と駆動で分け合うのですが、今回の場合は駆動に必要な電力が2100mAh。100mAh足りません なので電力を蓄えているバッテリーからも電力を補ってもらうというわけです しかしその場合でも、バッテリーから放電される電力はたったの100mAh なので普段ならバッテリーが単独で2100mAh分放電しているところを、ACアダプターの力を借りることにより100mAhの放電に抑えられるのです 事実としてバッテリーは放電している事になりますが、基盤は前提としてACアダプターから電力を貰っています 「それでも少し足りない」からバッテリーからも電力を要求している状態なわけですが、稼働に必要な電力の殆どはACアダプターから既に配給されているわけですからバッテリーから貰う電力は本当に微々たる量となります (これはAndroidなどのスマートフォンの場合は常に充電表示なのでわかりにくいですが、Windowsタブレットの場合はバッテリーにカーソルを合わせると明確に「電源に接続中 充電していません」と表示されます) つまり普段なら10時間で1サイクルのところを10時間で0.1サイクル程度に出来るのです 但し充電しているのにバッテリーが減っていくということはいずれ完全放電してしまうリスクがあるので、その点には気を付けてくださいね また、充電が完了してもバッテリーには微弱な電流を流し続けているという情報もありますが、あれは要はリチウムイオンバッテリーの自然放電で残量が減った時に100%を維持するために流し続けている、という意味で完全に充電された後もバッテリーに電力がバリバリ送られているわけでありません またスマートフォン本体のバックグラウンドの駆動にはアダプターからの電力が常に送られているので、バッテリー自体の自然放電が起こるまではバッテリーに電力は流れません で、肝心のリチウムイオンバッテリーの自然放電の度合いですが、みんな大好きWikipediaさんによるとこう書かれています
月に5% もう一度言います。月に5%ですよ? 1日にスマホのバッテリーを何%使いますか? リチウムイオンバッテリーにはニッスイ電池やニッカド電池のようなメモリー効果はほぼありません この程度のサイクル消費なんて、気にするだけ無駄なレベルです 因みに今回の記事のまとめ的なものなんですが、ここまで長ったらしく書いておいてなんですが要はスマホのバッテリーはノートパソコンのバッテリーと同じようなものと思っておけばいいです
商用電源とはざっくり言うとACアダプターです 因みにノートパソコンはバッテリーが挿入されていなくともACアダプターのみで駆動するのに対し、スマホはバッテリーが挿入されていなければ電源を繋いでも動きません これについてはスマートフォンとノートパソコンの回路が違う仕組みになっているからです そして最後に、これだけは覚えておいてください リチウムイオンバッテリーは充電しながら放電することはできない 以上です |