中小企業のリース取引に係る会計処理

所有権移転外ファイナンスリースは賃貸借処理できます。

「中小企業の会計指針」における、リース取引に関する要点は次の通りです。

所有権移転外ファイナンスリース取引は、通常の売買取引に係る方法に準じて会計処理を行います。
ただし、通常の賃貸借取引に係る方法に準じて会計処理を行うこともできます。この場合は、重要性のないリース取引を除き、未経過リース料を注記します。

なお、法人税法上は、会社態様に関わらず、すべての所有権移転外ファイナンスリース取引が売買として取り扱われ、賃借人がリース料(賃借料)として経理をした場合においても、その金額は減価償却費として取り扱われます。(リース期間均等でのお支払いの場合、この金額と減価償却限度額が一致するため、税額調整不要となります)なお、リース料を費用処理(賃貸借処理)する場合、支払リース料に係る消費税は、その全額をリース開始時に仕入控除することが原則となりますが、リース料を支払うべき日の属する課税期間において仕入控除する方法(分割控除)も認められています。

  • 本資料は、リース会計基準の概要をご理解頂くことを目的として、専門用語を平易な表現に改めて作成しております。
  • リース取引に関する会計・税務処理は、監査法人・税理士等とご相談・ご確認のうえ、貴社のご判断にてお取り進めくださいますようお願い致します。

リース取引の税務上の取扱い

オペレーティングリース取引

  • オペレーティングリース取引は、税務上、賃貸借取引とされます。
  • 賃借人(お客様)は、リース料をその支払うべき日において費用処理することとなります。
  • 消費税についても、当該支払うべき日において、そのリース料分の消費税を仕入控除することとなります。

所有権移転外ファイナンスリース取引

  • 所有権移転外ファイナンスリース取引は、税務上、売買取引とされます。
  • 賃借人(お客様)における償却限度額の計算方法は、リース期間定額法(リース期間を償却期間とする定額法)となります。
  • 会計上、賃貸借処理が認められる場合においても、税務上は売買取引とされます。
    費用処理した支払リース料は、これを減価償却費とみなした上で、減価償却限度額までの金額を損金算入することとなります。
    (リース期間均等でのお支払の場合、支払リース料と償却限度額が一致するため、税務調整不要となります。)
  • 消費税法上も同様に売買として取り扱われ、リース物件引渡時においてリース料総額に係る消費税を全額仕入控除することとなります。
    なお、賃貸借処理をしている場合は、リース料支払日において、そのリース料分の消費税を仕入控除することも認められます(分割控除)。

所有権移転ファイナンスリース取引

  • 所有権移転ファイナンスリース取引は、税務上、売買取引とされます。
  • 賃借人(お客様)における減価償却限度額の計算方法は、自社資産と同じ方法とされます。
  • 消費税法上も同様に売買として取り扱われ、リース物件引渡時においてリース料総額に係る消費税を全額仕入控除することとなります。
  • 機械等のリース取引の場合には、所有権移転ファイナンスリース取引と認定された場合、償却資産税をリース会社と取得会社で二重課税される問題があります。

金融取引として取り扱われるリース取引

  • 経済的実質が金融と認められるセール・アンド・リースバック取引は、リース会社から「金銭の貸付」を受けたものとして取り扱われます。
  • 実質的に金融取引かどうかは、取引当事者の意図、リース資産の内容等から判定されます。なお、金融取引と認められないセール・アンド・リースバック取引の例は、次の通りです。
    (新品の場合)
    お客様が一旦購入されることに相当の理由があり、かつ、立替金、仮払金などの仮勘定で経理し、お客様の購入価額と同額で、リース会社がお客様から譲渡を受けるもの
    (中古の場合)
    当該資産の管理事務の省力化等のために行われるもの

<所有権移転ファイナンス・リース取引>
(1) リース期間終了後又はリース期間の中途で、リース物件の所有権が借手に移転するリース取引(所有権移転リース)
(2) リース期間終了後又はリース期間の中途で、名目的価額又は市場価額に比して著しく有利な価額でリース物件を買取る権利が借手に付され、その行使が確実に予想されるリース取引(割安購入選択権付リース)
(3) リース物件が、借手の用途等に合わせて特別の仕様により製作されたものであるため、その使用可能期間を通じて借手によってのみ使用されることが明らかなリース取引(特別仕様物件のリース)

<所有権移転外ファイナンス・リース取引>
(1) 解約不能リース期間中のリース料総額の現在価値が、借手がリース物件を現金で購入すると仮定した場合の合理的な見積金額(見積現金購入価額)のおおむね90%以上であるリース取引
(2) 解約不能リース期間がリース物件の経済的耐用年数のおおむね75%以上であるリース取引




ダブルクリック
            



-